前回の記事では、オープンウォーターのCカード取得についてご紹介しました。オープンウォーター(OW)のCカードを取得した後は水深18mまでの海面が開けた場所でのダイビングが可能になります。ショップのガイドさんとのファンダイビングはもちろん、同じCカード取得者同士のバディダイビングも楽しむことができます。

Cカードを取得するとショップの方から、おそらく次のランクである「アドバンスドオープンウォーター(AOW)」や「スペシャルティ(SP)」についての説明があると思います。そこで、今回はアドバンスドオープンウォーターのCカードについて、まとめてみようと思います。

もうトレーニングなんてコリゴリ!な人にもおすすめなアドバンスドオープンウォーター(AOW)

オープンウォーターのCカード取得直後はタンク(シリンダー)の持ち運びで疲れたり、慣れない耳抜きに苦戦したりと、なかなかダイビングの楽しさを満喫する機会がないかもしれません。今の時期のような悪天候での実習だと、雨で体が冷えたり、波が高くてフィンがつけにくいなど余計に大変な思いをしているかも。「もうこれ以上トレーニングなんてごめんだ!」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。

でも、前回の記事でも強調したように、オープンウォーターは「本当に事故らないため」にしっかりとトラブル対処に慣れておく、いわゆる「訓練」です。なので、きついのは当然。でも、緊急対応をしっかり身につけた後である「アドバンスドオープンウォーター」は、トレーニングというよりは「ダイビングの幅を広げる楽しみ方」に力が入っています。

さらに、オープンウォーター取得後のファンダイビングではグループ行動が基本なので、ガイドさんがつきっきりになれないことも多々ありますが、アドバンスドオープンウォーターは講習なので少人数で行われることが多く、比較的まったり受けることができます。

なので、「オープンウォーターの講習がつらすぎて、このままじゃダイビング嫌いになりそう!」という方にこそ、おすすめしたいなと思っています。私はオープンウォーターのCカード取得後、間髪入れずにアドバンスドオープンウォーターを取得しました。

アドバンスドオープンウォーターとオープンウォーターのCカード

アドバンスドオープンウォーター(AOW)とは?

「スペシャルティ」と呼ばれる特定分野に特化したトレーニングが20種類用意されていて、その中の「水中ナビゲーション」「ディープダイブ」を含む5つのスペシャルティを修了することで取得できるCカードのことです。というとわかりにくいので、実際にどんな内容のものがあるか代表的なものを見てみましょう。

水中ナビゲーション

海中で目的地にたどり着くためのスキル。コンパスを使ったり、自然の目標物を確認したり、何回フィンキックしたか記憶しながら、正方形を描くように移動してみるなどの実習を行います。アドバンスドオープンウォーターのCカード取得のためには必修です。

ディープダイブ

オープンウォーター(OW)で潜れる水深18mより深いポイントで潜るためのスキル。深い場所は水温が冷たく、エア消費も大きくなるなど、浅場と違う注意点を学ぶことができます。こちらも、アドバンスドオープンウォーターのCカード取得のためには必修です。

水中写真ダイブ

イサキの大群に飛び込んで撮影

水中写真を楽しむためのスキル。カメラの基本的な使い方、水中での操作方法、ダイビング後のお手入れ方法などを学ぶことができます。カメラや写真撮影に力を入れているショップだと、撮影のコツをしっかり教えてくれるところもあります。

ボートダイブ

ボートダイブ

その名の通り、ボートダイビングのためのスキル。ビーチと違って深いところに直接潜るための安全なエントリーの仕方、潜行の仕方、イグジットの仕方について学ぶことができます。ボートでしか行けないポイントが本当に多く存在しています。ファンダイビングを満喫するなら、ボートダイビングはやっておいて損はないと思います。アドバンスドオープンウォーターを取得することで30mまで潜れるようになるので、潜れるポイントがぐっと増えます。

ドライスーツダイブ

ドライスーツでのダイビング

日本国内のリゾート以外で潜る人にとっては、年中使える「ドライスーツ」を着用してのダイビングスキル。ドライスーツの着方や脱ぎ方、取り扱い方法、水中での操作方法を学ぶことができます。水が入らないので服を着たまま着用できるのですが、きちんとエアをスーツ内に送り込まないと真空パックされたようになったり、逆に空気が入りすぎていると浅場に移動した際に膨張して急浮上してしまうことがあります。スペシャルティで学んでおけば安心です。

ナイトダイブ

夜にダイビングを安全に楽しむためのスキル。ライトの使い方や計画の仕方などを学ぶことができます。ナイトダイビングは夜光虫がとってもきれいです。そして、(ちゃんと気をつけていれば)ライトがある分、昼間よりも意外と人を見失いにくいです。大勢集まっているスポットだと、違うチームに紛れ込んでいたという可能性はありそうですけどね。ビーチエントリーなら初心者でも比較的怖い思いをしなくて済みます。

ドリフトダイブ

黒潮に乗るドリフトダイブ

潮流の強いところで、流れに乗って移動するダイビングスキル。場所は選びますが、何もしなくても景色が変わっていくという不思議なダイビングを楽しむことができます。私はバリのヌサペニダ周辺和歌山・須江の黒潮ダイビングなどで体験しました。

ピークパフォーマンスボイヤンシー(中性浮力)ダイブ

中性浮力スキルを磨くことができます。中性浮力苦手だよという方は、早めに習得しておくと、こういう…

足の踏み場もないほどのサンゴ礁の上を泳ぐ時にハラハラせずに済みます。

エンリッチド・エアダイブ

酸素濃度が高いエンリッチド・エア(ナイトロックス)と呼ばれる気体を使いこなすスキルを磨くことができます。

実際にあちこちでダイビングする時に活かしやすい9つのスペシャルティをご紹介しました。いかがでしょう?結構楽しめそうではないでしょうか。

合計5つのスペシャルティを受ける必要がありますが、必修である「水中ナビゲーション」「ディープダイブ」と、好きなスペシャルティ3つを選べばOK。私はこの中では必修の他に、「水中写真」と「ボートダイブ」のスペシャルティを選択しました。興味のあるものを選んで学べるのがアドバンスドオープンウォーターの良いところです♡

アドバンスドオープンウォーターCカード取得に必要な日数

前もって受けるスペシャルティを決めてショップに伝えておき、自宅でテキストで勉強しましょう。私が取得した時は、「各スペシャルティごとの小テスト(ナレッジ・リビュー)までを自宅で終わらせておく」という段取りでしたが、たった5項目なので丸1日あれば余裕で終わらせることができます。実習は最短2日で取ることができます。

アドバンスドオープンウォーターとスペシャルティダイバーの違い

アドバンスドオープンウォーターで選択するスペシャルティはそれ単体でも認定を受けることができます。(たとえば、ボートダイブのスペシャルティ受講2回でボートダイブスペシャルティの認定がもらえる)

アドバンスドオープンウォーターのCカード取得コースを受講して、一気に5つのスペシャルティを修了することもできますし、スペシャルティを少しずつ積み重ねてアドバンスドオープンウォーターのCカードを取得することもできます。「コース」と「単位」の関係だと考えるとわかりやすいですね。スケジュールや予算に合わせて組んでみましょう♡

持っていくと良いおすすめグッズ

最後に、このブログですでに紹介しているものも含めて、アドバンスドオープンウォーターのCカードを取得する方におすすめのものをご紹介しますね。

軽器材

参考記事:
初心者が1年目に買ってよかったダイビング器材

軽器材は、マスク、フィン、ブーツ、グローブがありますが、中でもマスクはフィットするものを使わないと快適に過ごせないので、自分用のを持っておく方がいいかなと思います。

これから新しくマスクを買うなら、2018年7月に出たばかりのLANZE(ランツェ)も要チェックです!

ダイブコンピューター

水深や水温の把握はもちろん、自分の水中での活動に応じた安全停止のアラートを出してくれたり、ログを記録していたりと本格的にダイビングをやるなら欠かせないアイテム。レンタルできない(安全のために、自身のダイコンを持つべきと考えている)ショップもあります。

選び方はいろいろあるんですが、私はデザインに惚れてSUUNTOのD4iを使っています。

PCでログをインポートするとこんな感じで確認できるのも、グラフフェチな私としては好みなのです。

デザイン以外で人気の機能だと、「ソーラー」ですね。ダイブコンピューターは精密機械なので自力で電池交換できませんが、ソーラーなら電池交換不要です。いざダイビングに出かけようとしたら電池切れ…ということを避けられます。

カメラ

私は一つ前のモデルのTG-4を使っていますが、今買うなら最新のTG-5かな。

とりあえずSDカードだけ買って持っていき、カメラはレンタルするのもありですね。

ドライバッグ

ボートダイビングなどで一日中ショップに戻らないときなどに、小物類やタオルを入れておくのに便利な防水バッグ。デザインが微妙なものも多くてものすごく探し回った結果、ORTLIEB(オルトリーブ)のウルトラライトウェイトドライバッグに落ち着いています。3Lくらいだと使いやすいです。

ちなみに、旅行先でバケツ代わりにして洗濯したり、濡れたものを乾いたものと分けておくのにも使えたりと、ボート上以外でも大活躍します。あると地味に役立つアイテムです。

アドバンスドオープンウォーターのテキスト

PADIのアドバンスドオープンウォーターはオープンウォーターと違って、eラーニングがありません。紙のテキストを使うことになります。ショップでも取り扱っていると思いますが、買いそびれて時間を無駄にしたくないという場合には書店で購入することもできます。

図鑑(魚の見分け方・同定で使えます)

参考記事:
ダイビング中に見た魚の名前を調べる!同定の方法

日焼け止め

参考記事:
サンゴ白化も日焼けも防ごう!ダイビングにぴったりな日焼け止め

カチューム

参考記事:
ダイビング中の髪型は?前髪は?おすすめのまとめ方!

洗い流さないヘアトリートメント

参考記事:
たったこれだけ!ダイビング後に髪が傷むのを防ぐおすすめケア

洗い流すトリートメント(持ち運び&補修力)

参考になれば幸いです♡