ダイバー向け水中アクションカメラのレビュー徹底調査!GoPro・DJI・Insta360 を書きながら「よし、あれを買おう!」と決めた矢先、海シーズンど真ん中の8月だというのに火傷を負ってしまいました。しくしく。
しかし!「水中がダメならビーチでもいいじゃない♡」ということで、スマホ用スタビライザー(ジンバル)、「DJI Osmo Mobile 7P」を購入。海旅の可能性も広がって動画を撮るのが今まで以上に楽しくなってきました♡
この記事では「ジンバルで家族動画や旅動画を躍動感たっぷりに撮ってみたい!」というジンバル初心者の方に向けて、
- 初心者がジンバルを選ぶときに超重要なポイント
- ジンバル初心者が知っておきたい最低限の基礎知識
- こんなときどうする?DJI Osmo Mobile 7P操作の操作方法
について解説していきます!
ジンバル製品レビュー動画であまり語られない、初心者がジンバルを選ぶときに超重要なポイントとは
ジンバルをどういう基準で選ぶべきかわからないままブランドで選んで「DJI Osmo Mobile 7P」を購入したのですが、後になって「これ、考慮せずに買ったらめっちゃ後悔するのでは」と気付いた点がありました。
それは・・・
「どれだけ神がかったスペックでも、超直感的に操作できないと詰む」
ということ。
YouTubeなどにある製品レビューは「座っていても自分を追いかけてくれます」「走ってもブレません」と個々の機能のすごさをひとつずつ丁寧に解説するものが多いのですが、実際にジンバルを使うのは「子どもとお出かけしたとき」「旅を楽しんでいるとき」。つまり、わざわざ撮影のために出かけて1シーン1シーン落ち着いて撮るというよりも、何か目的とする出来事があって、それを記録する方が圧倒的に多いと思うのです。
特にジンバルを必要とするような「躍動感や迫力があって惹きつけられるような動画を撮りたい」と思うと、結構ジンバルをあちこちの方向に向けて動かすことになります。だからこそスタビライザーを欲しているので、当然といえば当然ですよね。
しかし、高機能な追随機能があるジンバルって、想像を遥かに超えてうねうね動くんですよ。
そんな暴れ馬ジンバルを片手に撮りたい絵を撮るためには、画質とか色とかオプション類とかそんなものよりも!今動いてほしい通りに迷わず動かせることが超〜〜〜〜〜〜〜〜重要です!!!スペックが最高でも直感的に操作できなかったら、ただの「うねうね暴れる棒」です。そして、これは意外と「慣れれば済む」ものではありません。

撮影現場を想像してみてください。
お出かけ中に撮りたいシーンは山程ある。
すると、それぞれ最適な設定は目まぐるしく変わる。
1カットに躍動感を持たせようとすると設定だけでなく操作も必要になる。
被写体は走り回る。
撮影者も追いかけ回す。
シャッターチャンスは逃げ続ける。
撮影は連続的で、シーンとシーンのわずかな隙に最適なセッティングをしたり、画角に合わせて操作しながら撮っていかないといけない。
「被写体と距離を詰めていく」1コマを撮りたいだけなのに、逃げゆく画角。定まらない焦点。終わらない撮影。飽きてくる子どもたち…。
特に子連れということも大きいと思うのですが、そもそもお出かけしているときはジンバル以前に落ち着いて撮影できるとは限りません。イベントなどやり直しが効かない場面ならなおさらです。そんな中、ジンバルも操作しなければならないのです。
「DJI Osmo Mobile 7P」は一度ボタンの規則性というかコンセプトを理解すれば深く考え込まなくても思い出せるからよかったんですが、もしもスタビライザー性能のみに全振りで直感性に欠けたプロダクトや、ぜーんぶ自動制御しかできません!みたいなプロダクトだったら、買った瞬間から後悔していただろうなと。
なので、スペックよりも何よりも。直感的に思い通り操作がしやすいかは絶っっっっっっっ対に譲れないポイントとして検討してもらえたらなと思っています。もちろん、逆に言えば、歩きながら目の前のものを映すために手ぶれ補正だけできればいいなら何を選んでも大丈夫かもしれません。その場合はむしろ追従機能などがないシンプルな機種の方が合っているかも。
ちなみに、初めて撮った動画はこんな感じです。初めてでもこれくらいならすぐ撮れました。
ここからは実際にジンバルを生まれて初めて使ったときに、事前に知っておいたほうがいいと感じたことをまとめてみます。
ジンバル初心者が知っておきたい最低限の基礎知識
まず、操作方法を読んだり機能を探すためにも最低限知っておいた方がいい前提知識をまとめておきます。
フォローとアクティブトラッキング
フォローは自分がジンバルを操作してカメラを動かすこと、アクティブトラッキングはカメラが自動で被写体を追いかけることを指します。
機能 | 被写体を追う方法 | ジンバルとカメラの動き |
フォロー | 自分でジンバルを動かして被写体を追いかける | カメラがジンバルについてくる |
アクティブトラッキング | 被写体を指定する | ジンバルの動きに関係なく指定した被写体を追う |
フォローとアクティブトラッキングが両方有効になっている場合、アクティブトラッキングが優先されます。つまり、アクティブトラッキング中はジンバルをどう動かそうとターゲットが画面中央になるように動き、フォローは動きがなめらかになるよう自動補正します。ジンバルを動かしても、カメラはついてきません。
フォローモード
ジンバルを動かした方向に、カメラが少し遅れてなめらかについてくる基本モード。たとえば、自分の正面から右側にある被写体へ視点を移したいとき、ジンバルを右に振るとカメラがゆっくり右を向いてくれます。自然なカメラワークが得られる反面、「さっと右を向きたい」ときには反応がゆるやかすぎるので、ジョイスティックでカメラを操作した方が早い場合もあります。「DJI Osmo Mobile 7P」は一時的に高速でフォローすることもできます。
ロックモード
ジンバルを動かしてもカメラは首を振らず、常に同じ方向を向き続けるモード。ここでいうロックは、スタビライザーの角度を固定するという意味ではなく、カメラが中央の被写体を捉え続けることを指します。鞄のパントマイムみたいな感じ。ジンバルを左右に動かしても、カメラはまっすぐ正面を向いたままなので、被写体や景色をブレなく捉えることができます。たとえば、まっすぐな通路を歩くシーンや、走って相手に迫るシーンなど、「一直線で安定感のある映像」を撮りたいときに効果的です。
FPVモード
ジンバルを左右や上下に振ると、その動きがカメラに反映されるモード。たとえば、ジンバルと体を左右に向けながら走ると、ゲームのFPSみたいにカメラも一緒に向きを変えて臨場感ある映像になります。サバイバルゲームや自転車・スケボーの疾走シーンなんかにぴったりです。
注意が必要なのは、短い時間で勢いよく左右に動かそうとしてもカメラはついてこないという点。カメラは「見る人を酔わせないスピード」でしかついてきてくれないので、ジンバルがついてきてくれるペースに合わせて動かす必要があります。
パン・チルト・ロール
今のスマホ用スタビライザーで主流になっている3軸のそれぞれの軸のことです。テクニック動画などでもしょっちゅう出てきます。
パン:左右に向く(🙂↔️)
チルト:上下に向く(🙂↕️)
ロール:回転(🫨)
たとえば「左右は動くが縦を固定する」ことを機種によって左右起点で「パンフォロー(パン方向は追従する)」と呼んだり上下起点で「チルトロック(チルト方向は固定する)」と呼んだりするのでちょっとややこしいです。
撮り方の違い
ジンバルひとつでできることが多いのですが、どんな動画を撮りたいかによって必要な撮り方、使う機能は変わって来ます。必然的に選ぶ機種も変わるので、その点をまとめておきます。
シーン | 操作難易度 | 特徴 | おすすめ撮り方 |
自撮りVlog
(インカメ) | ★☆☆(かんたん) | ・自分を中心に話す
・手ブレが目立ちやすい | フォローモード。話すときはアクティブトラックOn(自分の顔)、なにか紹介するときはアクティブトラックOff |
自撮りVlog
(アウトカメ) | ★★★(むずかしい)
どう撮れているかわからないのでフレーミングを考える必要あり | ・自分+背景を見せたい
・動きながら周囲も映す | フォローモード。アクティブトラック(自分の顔)、ジェスチャー操作 |
被写体系Vlog(静的) | ★★☆(ふつう) | ・食べ物、景色など
・落ち着いて見せたい | フォローモード。アクティブトラックOff。ロックモードで正面安定、ジョイスティックでゆっくりパン。レイヤーの手前と奥のフォーカスはMFにした方がうまくいくかも |
被写体系Vlog(動的) | ★★☆(ふつう) | ・歩きながら撮影
・子どもや動物を追いかける | 被写体を次々変えたいときはFPVモードでアクティブトラックOff(子どもの足元からのチルトアップ) |
アクション多め映像 | ★★★(むずかしい) | ・走る/踊る/スケボー/サバゲーなど
・迫力&臨場感が欲しい | FPVモードでゲーム視点風(ただしジンバルの追従スピードに合わせる)、必要に応じて高速フォロー |
シネマティック作品 | ★★★(むずかしい) | ・映画っぽい雰囲気
・被写体をドラマチックに見せたい | ロックモード+ジョイスティックで計算された動き、パンフォローでなめらかスライド |
保存版!DJI Osmo Mobile 7Pのボタンと使い方
「DJI Osmo Mobile 7P」が覚えやすいと思うのは、「なんとなくこの操作はこのボタンだったな」という推測がしやすいため。画像にしてみたので、よかったら保存して見返してみてください♡
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ジンバル初心者の困った!原因と対処法(DJI Osmo Mobile 7P)
むかーし流行った「自撮り棒」程度のイメージでジンバルを使い始めた私が最初の動画撮影で苦労したのは、前述の通り「ジンバルが賢すぎて動きまくる」ところ。
撮りたかったのは子どもたちの足元にフォーカスしてダッシュするのを追いかけるような動画や、子どもたちが遠くを指差しているのを見せてからパンさせて指差した先に視線移動するようなシンプルな動画なのですが、「あれ、これどの設定にして撮ればいいんだ」「え、なんか思ってない方向に動くんですが!」「なんで180度回るのぉぉぉ」と最初はわーわーしていました。
そこで、初心者視点で「困ったときの対処法」を整理してみます。ここからは具体的な操作方法の話になるので「DJI Osmo Mobile 7P」を前提としています。
別のものを追いかけてしまって撮りたいものが撮れない
原因:別のものに対してActiveTrackが有効になっていることが多そう。
対処法:トリガーを1回押すとOffになります。もしくは、正しい被写体をドラッグしてトラッキング設定をし直します。
カメラが変な位置に固定されて戻らなくなった
原因:ロックモード中にジンバルを大きく動かすと、ロック解除後も変な角度のままになることがあります。
対処法:トリガーを2回押して初期位置に戻します。
トリガーボタン2回押しても初期位置に戻らない
原因:ActiveTrackが有効になっていることが多そう。
対処法:トリガーを1回押すとOffになります。その後、トリガーボタンを2回押します。
急に自分にレンズが向く(半回転)
原因:トリガーを3回押しているため。またはActiveTrackで何かを追いかけようとしてしまっていることも。
対処法:トリガーボタンを3回押すと戻ります。
被写体が見切れる
原因:ActiveTrackの追跡範囲を超えて動いているか、被写体がトラッキングされていないようです。
対処法:トラッキング設定自体はできている場合、被写体が大きく動く場合はデュアルレンズブーストをOnにしてみましょう。もしくはトリガーボタンの高速フォローで追いかけると追従しやすくなるかも。そもそもトラッキング設定ができていない場合はトリガーボタンを1回押して緑枠を出現させ、被写体をドラッグします。
緑の枠(ActiveTrack)が出なくなった
原因:トリガーを1回押しても出ないままの場合、FPVモードやスピンショットモードになっているかもしれません(このモードではActiveTrackが使えません)。
対処法:Mボタンでパンフォローモードやパン・チルトフォローモードに切り替えましょう。
サイドホイールでズーム/ワイドを操作できなくなった
原因:MF(マニュアルフォーカス)になっているかもしれません。DJI MimoアプリにMFの文字があったらそのせい。
対処法:サイドホイールを押しましょう。ズーム/ワイドかフォーカスかどちらを調整するかを切り替えられます。反応がない場合は、一度インカメラ・アウトカメラを切替えると戻ることがあります。
画面をタップしてもフォーカスできなくなった
原因:特定できていないのですが、予期しないタイミングでMFになってしまうことがあります。また、インカメラでMFになっている場合はサイドホイールでMF操作ができません。(AF/MF切替もフォーカス調整もできない)
対処法:一度アウトカメラに切り替えてサイドホイールを押してAFに切り替えるか、アウトカメラで撮影します。
スマホ逆さで足元フォーカスしてから上げるときに急にぐるんと回る
原因:パンフォローモードやパン・チルトフォローモードの場合、どこかのタイミングでスマホが元の向きに回転して戻ることがあります。
対処法:ジンバルの動かし方によって起こりにくくなりますが、手っ取り早いのはFPVモードにすること。
とりあえずいろいろリセットしたい
対処法:切替ボタン1回でインカメラ・アウトカメラを切り替え(ActiveTrackがOffになります)、切替ボタン2回で縦横を切り替えます。トリガーボタン2回で初期位置に戻ります。アウトカメラにしてからサイドホイールを押すとMF/AFを切り替えられます。
いかがでしたか?個人的には「DJI Osmo Mobile 7P」は日常にもお出かけにもなくてはならない遊び仲間のような存在になりつつあります。撮影した動画をあとから家族で振り返ったり、遠く離れて暮らす家族に共有して喜ばれたりするのも楽しいですね。
躍動感のあるワクワクする動画を撮るためにも、ご自身の用途に合ったジンバルを見つけましょう!
ちなみに、一緒に買ったOsmo Mobile 7P専用ケースとストラップがいい仕事するので、もしOsmo買うなら参考にしてください♡