ダイバーの正体に迫る本企画、21人目はきんととさんです。よろしくお願いします!

きんととさんプロフィール

2020年10月にODとSDを取得(BSAC)。経験本数は12本。東京で保育士をしている。Twitterではダイビングや趣味についてつぶやき中。

レギュレーターに対する不信感MAX!悔しさを胸にダイバーを目指す

――まず、ダイビングを始めたきっかけについて教えてください。

小さい頃から海が大好きで波の音が子守唄になるくらいで、海があるともうすごいワクワクしちゃうんですよ、どんな場所でも(笑)。母にもよく「今から海に行く」って言っては困らせましたね。でも、ずっと素潜りで満足していて、ダイビングをするきっかけがなかったんです。家族から一緒にやらないかって言われたこともあったけど、ダイビングってハンドサインとか覚えることが多くてなんか嫌だなぁ、面倒だなぁって思っていたんですよね(苦笑)。

それが、夏に恋人と大好きな高知へ3泊4日で旅行することになって。2人揃って幕末の坂本龍馬と岡田以蔵が好きなので、お墓参りしてから柏島で体験ダイビングもやろうということになって。きれいな海とおいしいご飯満喫して遊び倒そうってなったんですよ。

――柏島ですか!いいですね。体験ダイビングのショップはどうやって選んだんですか?

恋人と一緒にインターネットで調べながら、どんなダイビングをするのか話して決めました。「体験ダイビングした後にのんびりしたいね」ということで、民宿一体型で、午後から1本だけ潜ってゆったりしようって。お世話になったパラディさんのウェブサイトはとっても見やすくて、民宿の泊まる部屋の写真や食事、ダイビング内容などもわかりやすかったので安心できるショップさんだなぁと思って決めたんです。実際、民宿のご飯はボリュームたっぷり、海の幸も満載で本当に美味しかったです!ゆっくりできる環境も心と体のストレスがなく、私はオススメです!

ダイバー図鑑

――民宿型だとゆっくり寛げそうですね!体験ダイビングはどうでしたか?

ダイビングって海の中を自由に飛ぶことができるってイメージだったんです。素潜りだけでも、海の中って本当に自分の世界で、心がすごく満たされるんですよ。カラカラの体がめっちゃ潤う!だから、ダイビングへの期待度はすごかったんです!こんなにきれいな海で魚たちと一緒に泳げる!って当日までずっとワクワクしていました。エントリーの瞬間も、ボートだったのでバックエントリーがすごく楽しくて。でも、いざ潜ってみると…レギュレーターと和睦できず、過呼吸を起こしました(笑)。

――いったい何があったのですか?

レギュレーターを使った口呼吸に慣れていなかったので海の中で呼吸するのがすごく苦しかったのと、もうひとつ…レギュレーターが重くて顎がすごくしんどかったんです。

「うわぁ!重いっ!?めっちゃ噛みづらいっ!あれ?呼吸ってどうするんだったけ?」って、もう海の中なのに、レギュレーターに対する不信感にどんどんのまれてしまって。楽しむどころか、もう噛みづら過ぎて無意識で鼻呼吸もしちゃうので内心ずっとイライラしていました(笑)。レギュレーター嫌いっ!!と心のなかで叫ぶくらい。そのうちに呼吸が乱れ出して、過呼吸を起こしてインストラクターさんと海面に上がったんです。

――なるほど。それはびっくりしたでしょうね。その後どうなったんですか?

ビーチも遠く離れていたので、浮上した海面でインストラクターさんと一緒に呼吸と気持ちを整えましたね、3分で(笑)。

――3分で!?(笑)

私もよく3分で呼吸と気持ち持ち直せたなぁと思いました(笑)。インストラクターさんに「ボートに上がる?もう一度潜る?」って聞かれた時に、海の中に恋人を待たせているのと、自分もレギュレーターに負けるかって気持ちで「潜るっ!」と答えて再潜降したんです。

海の中では不安になるたびに「大丈夫。落ち着け。呼吸できているから大丈夫」って言い聞かせていました。インストラクターさんも戻る時に「そばにいるから大丈夫だからね」って言ってくれていたのと、海の中でも隣でときどき「大丈夫?」って聞いてくれていたので、何かあっても大丈夫って気持ちに余裕を持てましたねぇ。そして、魚たちにエサやりしたり、魚に並走されたりしているうちに、いつのまにかしんどいのも少し軽減されて、楽しい1時間を過ごしていました。

ちなみに、恋人は一人で水中で待機しながら楽しくGoPro回していました(笑)。楽しそうで安心しました(笑)。

――恋人さんもご無事でよかったです!その後、すぐCカード取得しに行ったのですか?

はい。本当にあの一本が悔しくて悔しくて。もっとうまく呼吸ができていたら楽しかったのにって思ったら、何が何でもレギュレーターと和睦してやるって心の炎が燃え上がりました(笑)。

恋人は仕事もあって講習までは進まなくて、9月に私ひとり、現在お世話になってる渋谷のダイビングショップの無料説明会に行ってきました。「聞くだけならタダ」って気持ちで行ったんですけど、説明を聞いたらKOされました(笑)。

――講習を受けるダイビングショップの決め手はなんでしたか?

私はお世話になってるのがレーブ渋谷店さんなんですが、毎月10人限定で割引価格で始められることと、駅近ですねぇ、やっぱり。渋谷駅から徒歩10分くらいなので助かりました!お店、スタッフさんの雰囲気もとても良かったのももちろん魅力です!

――駅が近いと、ツアー参加するとき楽そうですよね!講習は順調に進みましたか?

プール講習はやっぱりレギュレーターへの不信感がすごかったんですが、ショップのスタッフさんに「目を閉じてゆっくり深呼吸したら落ち着くよ」って言われたのをきっかけに、怖いとか不安とか感じることなく落ち着いて講習を受けることができました。

プール講習が終わった後に正式に入会を決めて、全器材を一括購入しました(笑)。特にレギュレーターは女性が1番使いやすいらしいアクアラングさんのマイクロンを使うことにしました。私はあごがあまり強くないのと口が小さいので、ユニセックスなレギュレーターだと大き過ぎて重かったみたいなんです。おかげで今は重さや大きさは気にならなくなりましたよ!

――レンタルしたレギュレーターが合っていなかったんですね。合うものが見つかってよかったです。最初は面倒そうだと思っていたダイビングですが、やってみてよかったですか?

そうですね!素潜りは相変わらず好きですが、ダイビングを知った今は素潜りだけでは満足できないかもです(笑)。

まだまだ駆け出し…でもナイトもボートも経験してワクワク!

――印象的だったダイビングについて聞かせてください。

まず、SD(スポーツダイバー/PADIのAOW相当)講習です。

前半の講習日、体調不良のまま行ってしまって。その日はBSAC本部の方がいて緊張しまくったうえ、電車酔いや海酔いに襲われて泣きながら3本潜りました。さらに、バディの勘違いからタンクの栓を絞められちゃったまま気づかずエントリーして、本気で「やばい」って緊急浮上しかけました。丸一日でいろいろあり過ぎて、よくがんばったなぁと今でも思っています(笑)。

でも、終わったら「これでファンダイビングも自信を持ってやれる!」って達成感がすごかったです!

――初っ端から大変な経験をしたんですね!SD講習後半はどうでしたか?

SD講習の後半はとても楽しかったですよ!西伊豆の堂ヶ島でボートダイビングと、なんとナイトダイビングの豪華実習だったんです。

SD後半ではボートダイビングは絶対に入るんですけど、ナイトダイビングはインストラクターを務めてくれたショップのスタッフさんの粋な計らいでした。講習でナイトダイビングを経験できるって思わなかったので、怖さよりもワクワクが止まらなかったです!洞窟入ったりしてテンション上がってました!暗い中をライト一本で泳いで行くとワクワクが止まらなかったです!海や魚の昼間とは違う様子に「今自分は誰よりも贅沢してるっ!」って。ボートも体験ダイビング以来でしたが、もうすごいドキドキして「早く海にエントリーしたい」って気持ちがふわふわしてましたね。

――講習でナイトダイビング、ラッキーでしたね!

もうひとつ印象に残っているのは初めてのファンダイビングです。

OD(オーシャンダイバー/PADIのOW相当)講習が終わればもうファンダイビングできるのはわかっていたんですが、「SD取得するまでファンダイビングはしない」と決めていたので、昨年の12月5日に初めてファンダイビング行ってきました。初ファンダイビングがショップ主催のお泊まりダイビングだったんですよ!

場所は西伊豆の安良里です。渋谷店と横浜店の合同だったんですが、私は渋谷店の車に3人で楽しく4時間ドライブしながら行きました。朝の7時にショップに集まって速攻出発して、11時半か12時に着いてすぐエントリー準備でしたねぇ。2日間で4本潜りましたよお。西伊豆は親戚も多いのでよく知った場所、海で。透明度も良くていろいろな魚に出会えました!

――はじめてのファンダイビング、どうでしたか?

ファンダイビングは楽しかったし面白かったですね!講習は実技とかでワタワタしますが、講習じゃないからこそ海の中を見渡す余裕があったり、見たことのない魚を見つけて「何で今、水中カメラ持ってないんだ」ってジレンマ抱えたり(笑)。講習をちゃんとやったからこそ実力もちゃんと付いたなぁってわかって、もっとチャレンジしたいって思いましたねぇ。

あと、ファンダイビングでいろんな方たちと潜るからこそ、エア消費が激しくなったり、BCやドライスーツの空気を上手く抜けずに急浮上してしまうなどはなるべく避けたいなぁと思いましたね。海の中に長くいられなくなったり、手間をかけてしまうので。

――ダイビングをはじめた頃はエア消費や急浮上、特に心配になりますよね。ちなみにドライスーツ、操作が複雑じゃなかったですか?

ドライスーツはOD講習後半から使っていましたが、はじめの頃は複雑で水中操作にオタオタして、インストラクターさんに「こうやるんだよ」と訓練されてました(笑)。浮き沈みはあまり苦労しなかったんですが、スーツ内の空気を抜き過ぎて身体を締め付けちゃうこともしょっちゅうで、泳いでる時に「痛い、めっちゃ身体痛い!」ってなりました(笑)。

――真空パック包装されたみたいになりますよね(笑)。

特に足が痛くて(笑)。「あ、空気抜き過ぎたぁ」って急いで胸元のボタンを押して空気入れて改善しましたね。空気が上手く抜けない時の対処も覚えて、今では変な浮上もほとんどなくなりましたね!

ダイバー図鑑

ウミウシにもマダラトビエイにも。会いたい子や行きたい海がたくさん!

――今後行ってみたい海、やってみたいことはありますか?

ウミウシが好きなので早く水中カメラでウミウシを撮りたいって欲が強いです(笑)。 ウミウシっ!可愛いウミウシっ!ウミウシは海の宝石っ!ってずっと言っています(笑)。どの子に出逢えても感動できます。近々、初島に行くのでウミウシいっぱい撮りたいですねぇ。他に会いたい子は、マダラトビエイとハナヒゲウツボちゃんですねぇ…あ、ウバウオも撮りたいんですよ。

今後やりたいことは、夏までに30本行けたらナイトロックスかディープのSP取得にチャレンジしたいなぁと思ってます。

行きたい海はGWに開催される予定のお泊まりダイビングでの八丈島ですね!

楽しみが多いので、体調やメンタルにも気を付けていつも元気でいたいです(笑)。

――今からワクワクしますね!それでは最後に、ダイビングを始めようか迷っている方、始めてみたものの続けられるか不安な方へメッセージをお願いします!

そうですね…長くなっちゃうかもですが。もし、というか、絶対に、時間や金銭的な壁があったり、海が苦手、泳げないって思う方はいっぱいいます。どうしようって迷ったときは、お店のウェブサイトを見てみてください!「このショップ良いな」って思えたら、インストラクターさんの生の声をぜひ聞きに行って欲しいです!ダイビングってどんな感じ?と聞くのはタダなので!きっと不安なことも怖いことも疑問も全部丁寧に受け止めて聞いて答えてくれます!1人で悶々とするよりも1歩だけ勇気を出して踏み出して欲しいです。ダイビングを始めたいって思うなら!

――ありがとうございました!

レギュレーターへの不信感に襲われた体験ダイビングからスタートし、いつのまにかダイビングに魅了された、きんととさん。大好きな海の世界をより深く、より長く満喫できるのは、ダイビングならではですよね。これからもいろんなワクワクを楽しんでください!