ダイバーの正体に迫る本企画、18人目はJunさんです。よろしくお願いします!
Junさんプロフィール
現在ダイビング歴6年のMSD。経験本数は160本。山陰で旅行関係の仕事に就く。Twitterではダイビングに関してつぶやき中。
「すぐ飽きるだろう」と思いきや、目の前で魚が泳いでいることに感動してどハマリ
――まず、ダイビングを始めたきっかけについて教えてください。
大学時代に趣味を見つけたいと思っていたときに、キャンパス内の掲示板でOW講習のチラシを見かけたのがきっかけです。サークルではなく、ひとりでダイビングショップに申し込んで。「すぐ飽きるだろうな〜」と思いながら受講したところ見事にどハマりして、今に至ります。
――以前から海はお好きだったんですか?
もともと海は好きでしたね! 生き物も好きで、休みの日には動物園や水族館へみずから足を運ぶくらいでした!
高校まで水泳をやっていたので水に対する恐怖心も全くなく、海洋実習はスムーズでした。 特にマスク着脱は他の受講生は3〜4回繰り返してやっとできる中、私だけ1発でクリアして、ずーっと水底で待っていました。講習を受けていた時間より、待っていた時間の方が長いように感じましたね(笑)。
――人数多いと結構待つことになるんですよね(笑)。レギュレーターをくわえて、はじめて海で潜ったときの印象はどうでしたか?
水中で息継ぎができることに感動を覚えました!それこそ魚になったような気分で、エキジットするのが惜しいくらいでした。
――生き物を見つける楽しさを味わったのはOW取得後ですか?
ですね。講習では生き物を探す余裕はなく、砂地だったので時々ハゼやメゴチを見るぐらいだったんですが、ファンダイビングをするようになって目の前で魚が泳いでいる様子に感動しました。「もっと極めたい!」って思えるようになりましたね。
初めて衝撃を受けたのは石垣島でマンタを見た時でしょうか。大きな個体が目の前で空飛ぶじゅうたんのように優雅に泳いでいたのを見て、終始アドレナリン出っぱなしでした!それまではマクロレベルの小さな魚しか見ていなかったので、「こんなのが日本で見られるのか」と驚きました。
あとは宮古島で見たメーター級のGTにも驚きました。戦国武将のようなゴツさに惹かれた記憶があります。釣り人が憧れると言われている理由もよーくわかったダイビングでした。
――海が好き、生き物が好きとくれば、ダイビングにハマらないわけがないですね!現在MSDとのことですが経緯を聞かせていただけますか?
OW取得後すぐにAOWを取りましたが、その後は上を目指すつもりもなくひたすら本数を稼いでいました。ただ、しばらくして、ずっとAOWでいることにマンネリを感じたんです。
AOWは割と誰でも持っているじゃないですか。レスキューやMSDはなかなかいないから取れれば差をつけられるし、上級者として行けるポイントも増えるだろうなと。それから、あるショップのガイドが私と同い年で。大学卒業までにDMまで取って他のショップでアルバイトをしていた、と聞いて感化されたというのもあります。
それで、去年レスキュー講習を受けて取得しました。ファンダイブ50本以上というMSD申請の要件は満たしていたので、あとは興味ありそうなスペシャリティを受講して申請したという感じですね!
――レスキュー講習はどうでしたか?
特別大変だったということはありませんが、やはり人命救助に関わる部分が多いので楽しい要素は少なめでした。でも、レスキューを取ったあたりからベテランやリピーターが多いチームに振り分けられるようになりました。取得後に意識が大きく変わったということはありませんでしたが、強いて言えばフロートを購入してBCDのポケットに常備するようになりました。
底の見えない海で100匹超えのハンマーヘッドシャークに遭遇!
――印象的だったダイビングについて聞かせてください。
ハンマーヘッドシャーク狙いで行った与那国島ですね!
大学の春休み、どこへダイビング行こうかなーと考えながらSNSを見ていたら、与那国がハンマーヘッドシャークのシーズンだという情報を入手したんです。気になって有名なショップのホームページを覗いたところ、なんとジンベエザメの出現歴もあると知って、「与那国すげー!!」と。
当時はCカードを取得して2年、本数もまだ20本くらいだったので、STWの2泊3日のツアーを申し込みました。ただ、ダイビングはとことんやりたかったので、羽田を朝6時台に出発する飛行機にアレンジして初日から2ダイブ、翌日3ダイブ潜りました!
たしか1本目は遺跡。 壮大だったんですけど、流れが速くて必死にしがみついていた記憶があります(笑)。2本目はハンマー狙いのポイントへ行き、30匹ぐらいの群れを見ることができました。少し遠めでしたけど、見たかったものが見られて嬉しかったですね〜!それに、目印となる岩場やサンゴ礁がないので、海のど真ん中に放り込まれたような気分でした。これまで潜った場所と比べると流れているな〜と思っていた気がします。
――経験本数20本で、流れのある場所で潜っているのに、とても落ち着いていらっしゃったんですね!
今思えば、20数本で与那国へ行ったのは我ながらすごいなと思います(笑)。サメ狙いは何もないところの中層を進むので、気付いたら水深30m超えていた…なんてこともざらですので、ダイブコンピューターによる深度管理は必須です。ガイドさんにおんぶにだっこのダイビングはできないので注意が必要ですね!
――なるほど。2日目はどうでしたか?
1本目は地形がきれいなポイントで体を慣らして、あとの2本はサメ狙いでした。この日は遠目で見られたみたいですけど私はわからなくて、やや消化不良で終えましたね。でも、また行こうと決意して去年行くことができました!その時は1回だけ100匹オーバーのシャークリバーに当たって、来てよかったと思いましたね。
――100匹超え!圧巻でしょうね。
すごい勢いでタンクを叩く音が聞こえたので、何事かと思って振り向いたら、たくさんのハンマーが目の前を泳いでいました!真横から突っ込むと散ってしまうので、全力で平行に泳ぎながら近づいてカメラに納めるのに必死でした(笑)。
――振り向きざま!間に合ってよかったです(笑)。カメラは長くさてれいるんですか?
そうですね。AOWの講習の時にカメラをレンタルしてから、どんどんのめり込んでいきました!最初は体勢が安定しなくてブレブレだったんですけど、いろいろな魚を写真に収めるのが楽しくて。おかげで、大学時代のアルバイト代はほぼダイビング関係で消えていました(笑)。
――沼ですからね(笑)。撮影で気をつけていることはありますか?
できるだけ、高さを生き物の目線に合わせることです!上からシャッター押すだけだと記録写真になりがちなので…。
あとは、周りの人への配慮でしょうか。 ある程度シャッターを切ったら、後ろで待っている人へ譲るようにしています。
それから、ワイド系の生き物は基本的には動画を撮るようにしています! ギンガメやバラクーダの群れ、マンタなんかは静止画より動画の方が多い気がします。反対に、マクロ系の生き物は静止画に集中しています!
――マクロで印象に残っているのは?
ミジンベニハゼでしょうかね。ハゼ類ってだいたいすぐ引っ込むんですけど、全然引っ込まないんですよね。フォト派ダイバーには嬉しいです。
あと、アケボノハゼは色がきれいなので、会えるとテンション上がりますね!
――アケボノハゼ!憧れの魚なんです。きれいですよね。沖縄で潜られることが多いですか?
沖縄と、最近は柏島が多いですね。生物が豊富なので楽しいですよ!頻繁に行くのは難しいので年に3〜4回のペースですが、1回の滞在でたくさん潜るようにしています。
――なるほど!ちなみに、ダイビングショップはどうやって探されていますか?
私は初めて行く場所はホームページを見てショップを選ぶのですが、
- スタッフ紹介が顔写真付きで紹介されているか
- ブログは毎日更新されているか
を主軸にして選んでいます。
1については、自分の命を預けるので、実績があって信頼できる人がいるところを選ぶようにしています。特にオーナーやチーフガイドに注目しますね。どんな人かもわからないところに行きたいとは思いませんからね。
2はどんな海でどんな生き物を見られるかを事前に知るためと、見たい生き物を見たり行きたい場所へ行ける確度をチェックするためですね。たとえば石垣島であればマンタポイントへどのぐらいの頻度で行って、どのぐらいの確率で会えているかをチェックしています。ブログがない、もしくはブログが2ヶ月以上更新されていないショップは候補から弾いてます。料金やホテルからのアクセスの良さは二の次です。
――情報をきちんと発信しているかどうかは重要ですね。
いつかはモルディブへ!ジンベエザメと泳ぎたい
――今後行ってみたい海、やってみたいことはありますか?
やっぱりモルディブで潜ることですね!ジンベエザメとも泳ぎたいし、ナイトダイビングで顔面すれすれのマンタも見てみたいんです!それ以外にも魚影が濃いので、いつか行ってみたいです!
――モルディブ!良さそうですよね。
実は今年3月に行く予定立てていたんですけど、コロナで白紙に戻ってしまったので…生きているうちに一度で良いので行ければなぁと考えています。
――ジンベエザメやマンタと泳げるといいですね!それでは、最後になりましたが、ダイビングを始めるか迷っている方や、続けられるか不安になっているビギナーダイバーの方へメッセージをお願いします!
海に潜るとふだんの生活では味わうことのできない「非日常」を体験できます!ひたすらカメラでシャッターを切るもよし、好きなだけ眺めるのもよし、ふわふわ泳いでいるのもよし、いろいろな楽しみ方があるのがダイビングです。それでも、舞台は自然の世界。1歩間違えれば命を落とすこともあるので、無理のない範囲で楽しんで頂ければと思います!
――ありがとうございました!
趣味を探そうと何気なくダイビングを始めたJunさん。でも、飽きるどころかすっかり魅了されてしまう気持ち、きっとダイバーであればうなずいてしまいますよね。モルディブの海でジンベエザメと一緒に泳げる日が待ち遠しいですね!