ダイバーの正体に迫る本企画、12人目はAskさんです。よろしくお願いします!

Askさんプロフィール

現在ダイビング歴5年のダイブマスター(PADI)。経験本数は350本。会社員。Instagramにて海の写真を更新中。

100%楽しむ余裕がなかった初ダイビング、悔しさを原動力に

――まず、ダイビングを始めたきっかけについて教えてください。

西表島で体験ダイビングをしたのが初めてです。当時は、海が好きでも嫌いでもありませんでした。親がダイバーなんですが、留守番で退屈だったイメージくらいしかなくて。

なので、西表島旅行に行く直前に、友だちから体験ダイビングを計画していると聞かされた時にも、特に期待せず「別にいいよ」くらいの軽いノリで参加しました。

でも、実際に潜ってみると、海のきれいさに本当に感激しました!

ただ、慣れない口呼吸や重たい器材にあわあわしてしまい、途中で息苦しさを感じて「怖い!もう上がりたい!」って余裕をなくしちゃって。海のきれいさを十分に堪能できなかったのがとても悔しくて、「ちゃんとCカードを取って、海を満喫できるようになろう」と思いました。

それで、1年後、西表島の旅行日程まで組んだ上で、伊豆の都市型ダイビングショップで講習を受けたんです。器材も全部買って(笑)!

――Cカード取る前に器材全部ですか!

なんとなく「ハマるだろうな」って予感があったのと、始めるならとことんやろうと思っていたのでレンタル代が無駄に思えちゃったんです。買っても元を取れるだろうと。それに、ウェットスーツとかレギュレーターとか直接触れるものをレンタルするのが嫌だったというのもあります(笑)。人生で初めてのローンでしたけど(笑)!

――なるほど(笑)。伊豆での講習は順調でしたか?

講習は順調に進みました。一番苦戦したのは、講習日程の調整だったかもしれないです(笑)。西表島旅行の出発前ギリギリだったので。

無事に終わって、まだCカードも届く前に、テンポラリーカード握りしめてヤル気満々で西表島に行きました。

――準備万端で臨んだ西表島ダイビングはどうでしたか?

もちろん、水中は楽しくて西表島の海を思いっきり満喫しました!

でも、それだけじゃなくて、担当のガイドさんが「講習でやったことをしっかり復習して身につけてこうね!」と講習の延長のような指導もしてくれたんです。ダイビングスキルの大切さを教えてもらった印象深い初ファンダイビングになりましたね。

その後はすっかりハマって、少なくて月1回くらい。最初の3年くらいは年80本くらい行ってましたね。基本は伊豆で、年2回くらいはリゾートで、というペースでした。

――予感は的中しましたね!伊豆のダイビングショップは講習を受けたところですか?

都市型ダイビングショップと現地ダイビングサービス、それぞれ1ヶ所ずつお世話になっているところがあって、目的によって使い分けています。

「とりあえず海行きたい!」っていう時は、スケジュールを気にせずにセルフダイビング(バディダイビング)できる現地サービスです。あとは旦那がお手伝いもしているので、それに付いて行ったり、そこのガイドさんがもうお父さんみたいな存在なので、会いに行くのが目的っていう時もあります(笑)。

都市型ショップの方は私がダイビングを始めた頃からずっと見てもらってるので、仲間も多いし何かあれば相談する先でもありますね。自分のことをよくわかってもらっているので、1人で参加したい時とか甘えん坊ダイビングをしたい時に行ってます(笑)。

ちなみにリゾートはツアーは使わず個人手配で行ってます。安く済むので(笑)。

――リゾートは個人手配なんですね。何か参考にされている情報などはありますか?

潜りに行く場所は周りの人に教えてもらうことが多いかもしれませんね。さっきの仲のいいダイビングショップのスタッフとかダイビング仲間とか。また、ダイビングショップ選びなら「ガイド会」の人がいるところや、「だいぶぷらす」の加盟店を選ぶこともあります。

もちろん雑誌、Webも参考にしてますよ。マリンダイビングとDIVERはとりあえず見ますし、オーシャナも見てます。最近はInstagramで得る情報も多いですね。写真も勉強になりますし。いろんなタグでよく見てます。

そして、実際の手配は旦那がほとんど全部やってくれるので眺めてます(笑)。

――素敵な旦那さん!旦那さんもダイビングされるんですね。

旦那の方が1年先輩なんですけど、Cカードをとったダイビングショップが一緒で出会いました。

実はお互い初めましてがいつか覚えていなくて、「なんとなく顔を知ってる」みたいな感じでした。で、私がダイビングを始めた年の年末のツアーにどっちも参加してて、チームは違ったものの仲良くなり、引っ越しを手伝ったりとかしてるうちに、いつのまにか付き合っていました(笑)。

――パートナーがダイビングをされている良さや大変さってありますか?

やっぱり誰より信頼できるし理解しあえることも多いので、一緒に潜ってる時、一番のびのびできるなって思います。

あと物を共有できたり忘れ物ないかお互い見合ったり準備も片付けも分担できたりしていいことはたくさんありますね。

大変なことは…思いつかないですね。あ、今は一眼のカメラが共有の1台しかなくて、交代で使ってるのが不便?かもしれません(笑)。「早くもう1台手に入れないと!」って2人でがんばってお金貯めてます!

――なるほど!共通の目標を持つのもまた楽しいですね。写真はどんな生き物を撮るのがお好きですか?

完全にマクロ派です!ウミウシとか貝類とかエビカニ、ヤドカリ、最近だと生えものが好きです。あとタツノオトシゴ系の子たちがすごく好きで、ハナタツが特に一番好きです♡吻が(笑)♡カメラは初心者なのでまだ修行中ですけどね。

忘れられない思い出と、ダイブマスターになった経緯

――では、印象的だったダイビングについて教えてください。

伊豆海洋公園(IOP)で潜っていた時のことなんですが、エキジット時に大波にさらわれて岩にぶつかりそうになった女性バディを、女性ガイドが背負い投げのように水中で持ち上げて助けたのを目の前で見たことですね。

伊豆海洋公園はエキジットのロープの辺りにドンっと大きな岩があるんです。そこを、チーム最後尾だったガイド・バディ・私の順に向かっていたんですが、大きな波が来てバディが吹っ飛んでしまって。それをガイドが必死に掴んで引き戻したんですよ。次の瞬間にはバディは岩の上にちょん、と乗っかってて。タンクも背負ってて軽くはないし、そもそも水中だし荒れてるし…普通ムリですよね。ホントすごかったです。

あまりの衝撃に、今では笑い話で、みんなでよく話します。

——なんかもう、激しすぎて、一瞬の出来事と思えないですね。

ガイドのすごさを感じましたね。「〇〇が嫁に行けなくなるーっ」って必死だったそうです(笑)。

――そういえば、ダイブマスターまで取られたんですよね。どういった経緯だったのでしょう?

AOWまでは最初から取るつもりでした。ダイビングを思いっきり楽しむためには必須なんだろうなと思ってたので。でも、その後のレスキュー、ダイブマスターについては、何か思いがあってというわけではなく、ツアー代が安くなるという理由でした(笑)。

当時使っていたダイビングショップにプロコースっていうのがあって、それに入るといろいろ割引されるって勧められたんですよ。今思えば、乗せられたなって思います(笑)。

ただ、ダイビングを始めて1年半くらいでダイブマスターまで取ったんですけど、一番成長した期間だったし、今は本当にやってよかったなと思います。スキルが上がれば、よりダイビングを楽しめるようになりますからね。

――1年半!インドア派だったのが嘘のようです。大変ではなかったですか?

日程調整が大変だっただけで、他に苦戦することはなかったですね。講習は楽しかったですよ。

――すごいなぁ。昔はきっかけがなかっただけで、海と相性が良いんでしょうね!

海にしかない出会いがある。ダイビングやっててよかった!

――今後やってみたいこと、行ってみたい場所はありますか?

今後はやっぱりカメラをもっと練習して上達していきたいなと思ってます。カメラの師匠がいるのでその人を「お〜」っと言わせたいなと(笑)。

行ってみたいところは世界中いっぱいありますが、いつか絶対行きたいのはやっぱりセノーテ!あとリーフィーシードラゴンに会いにも行きたいです。貯金がんばります(笑)!

――リーフィーシードラゴン!私も会いたいんです♡お互いがんばりましょう!では、最後にダイビングを始めるか迷っている方にメッセージをお願いします!

海の中でしかできない体験、出会えないもの、見れないものがたくさんあります。私はダイビング始めてよかったなっていう気持ちしかないです。怖いなって思うことはちゃんと学んで、わからないことはインストラクターや先輩たちに相談していけばきっと大丈夫です。

地球に住んでて陸にしかいないなんて、もったいないですよ(笑)!

――ありがとうございました!

最初の体験ダイビングで100%楽しめなかった悔しさから、3年経たないうちにダイブマスターにまでなってしまったAskさん。海に縁がなかった彼女に必要だったのは、ただひとつ「きっかけ」だけだったのだなと思います。「怖いなら学べばいい」、ダイビングに限らず、踏み出さない理由なんてないのかもしれませんね。