ダイバーの正体に迫る本企画、9人目はメカアザラシさんです。よろしくお願いします!

メカアザラシさんプロフィール

現在ダイビング歴3年9ヶ月のAOWダイバー。経験本数は82本。大阪市在住の会社員(大道具)。ビギナーダイバー向けのブログ「ウミウシダイバー」更新中。

一度潜ってしまうと、もう無理。敬遠していた海にハマった!

――まずは、ダイビングを始めたきっかけについて教えてください。

元々海は好きではなく、全く行くことがなかったんです。なんだか得体の知れないものがいそうで。ですが、鳥取にいる妻の叔父のところへ遊びに行った時に、遊覧船から見た海がすっごく綺麗で、翌年の夏にシュノーケリングデビューしました。

水深20センチの世界、ウニやイソギンチャク、クサフグの赤ちゃんなどを海で初めて見て、思わず「リアル水族館!」と声が出たり、クロヘリアメフラシを見て「宇宙の生き物!」と大興奮。この水深なのに少し怖く、そして楽しかったです。

それで、しばらくして「そろそろシュノーケリング用のウェットスーツを買おう」と家の近くのダイビングショップに行ったところ、お店がちょうどオープンしたてで体験ダイビングが安くなっていて。何も考えず、ダイバーになるつもりもまだないまま、申し込みました。

――体験ダイビングから始まったんですね。どちらに行かれたんですか?

体験ダイビングは和歌山の白崎海洋公園に行きました。白崎海洋公園は施設が整っていて、ビーチエントリーのためのスロープもあるので初心者に優しいダイビングスポットでしたね。

魚や生き物もたくさんいて、初めて見るニザダイやタカノハダイ、なかなかのスケールでした。シュノーケリングと違う距離感に驚きました。太平洋側ということもあるのかなと思います。

記念すべき初ダイブの感想は、「水中で息ができる!」というのと、水面より結構下にいる感覚が不思議でした。必死でしたけどね。

――ハマりました?

そうですね、すぐにハマりました。

一度潜ってしまうと、もう無理ですよね。Cカード(ライセンス)が欲しくなりました。バディである妻は泳げないこともあり、当初はCカード取得までは考えていなかったそうですが、今では普通に潜っています。

――わかります!OW講習も白崎海洋公園ですか?スムーズに進みました?

はい、白崎海洋公園でした。講習もインストラクターの方に付いていただいて安心して進められ、無事OWを取得しました。

その後、ウミウシやアメフラシなどの写真を撮ったり、生き物をじっくり見たり、複雑な地形をスムーズに行ったりするために、ダイビングスキルを上げる必要が出てきて、OWの2年後くらいにAOWを取得しました。

やはりきっちり教えてもらえたことで上達しました。取得して良かったと思います。

――いいペースでAOWを取られたんでしょうね!

初ファンダイビング、初ドライ、初ボート、初ナイト、初セルフ…OWを取ってからも怒涛の初めて体験

――印象的だったダイビングについて教えてください。

1つ目は、初ファンダイビングです。実はこの時、ドライスーツでの海デビュー、ボートダイビングデビューでもありました。

OWを取得したのが12月で、「年内に行っておきたい!」と思って。でも、これからの季節はウェットスーツではキツイと聞き、ドライスーツを急遽かんばって購入し、1回プールでドライスーツの練習をしてから臨みました。

場所は悩みましたが、やはり海を好きになったきっかけの鳥取で潜りたいなと。ど年末の12月28日、荒れやすい日本海が運良く凪いでいて、ゲストも我々2人の貸切状態で少し安心しました。

もちろん初めてのロープ潜行は体が回って苦戦しましたし、水中にいるので精一杯でしたが、でかいオオパンカイメンを見ただけでもテンション上がってしまう舞い上がりっぷりで、寒いのも忘れて楽しみましたね。

――初ファンダイビングで、初ドライスーツ、初ボートダイビングとは!なかなか攻めましたね。何か気をつけたことはありましたか?

ドライスーツだったので吹き上げに気をつけてました。プールで練習した際に足からフワーッと上がってしまったので、海でそんなことがないよう気をつけてましたね。

それから、ウエイト自体も少し重めに設定していたと思います。

――なるほど。ドライスーツは急浮上しやすいので注意が必要ですもんね。

2つ目はナイトダイビングです。AOW講習の際に和歌山の白浜で潜りました。

初めて潜る夜の海だったので、「怖い」と思う気持ちもありましたが、「楽しみ」という気持ちの方が勝ってましたね。体を動かした時に光る夜光虫や、岩にもたれかかるように寝ている魚に感動しました。

――夜光虫きれいですよねー!寝ている魚は何の魚だったんでしょうね?個人的には、ブダイが粘液の膜の中で寝るのを見てみたいです。

まさにブダイでした!

しかし、膜を張るとは当時は知らなかったので「あ、横になって寝てるわ〜」って見てるだけでした。悔しい。

――ブダイだったんですか!またいつかトライしてみてください!

そして、3つ目は初めてのセルフダイビング(バディダイビング)です。AOWを取得した白浜でデビューしました。

セルフダイビングをしてみようと思ったきっかけは、ガイドさんの後に付いているより、主にナビゲーションのスキルアップができるかなと思ったのと、ウミウシやマクロの生き物が大好きなので、ゆっくりじっくり探して撮影ができるかなと思って。

――セルフダイビング、いいですね!ゆっくりできました?

初セルフダイビングは正直それどころじゃなかったです。海中マップとコンパスと地形をずーっと見てました。

途中まではガイドロープがあってまだ安心だったのですが、ガイドロープの無い部分を進むのはとても不安でした。実際、予定ルートからおそらく数メートル離れただけでも、ルート復帰までは正直ヒヤヒヤしていました。それでも、バディと二人で苦戦しながらも乗り切ったのは嬉しかったです。

――今はもう慣れられました?

今の時点で10本程度しか潜ってないと思うので、まだセルフダイビングに慣れたとは言えないですね。なので、短い距離でウロウロしています。

でも、移動距離が短くてもマクロの生き物を観察したり、写真を撮るには今のところ十分です。楽しみながら潜ってます。今後は半々くらいでセルフで潜って練習&じっくりマクロをしようと思っています。

ゆったりマクロも、大物も。見つけて、記録して、発信していきたい!

――今後やってみたいこと、行ってみたいところなどあれば教えてください!

今までセルフダイビングはビーチばかりだったので、今度はボートでのセルフダイビングをやってみたいです。見られる生き物も増えるし、スキルアップにも繋がると思いますので。

あとはベタですが、大物を見てみたいです。私の中での大物はウミガメぐらいでまだまだ全然見れてないんですよ。マンタやジンベエ、ハンマーヘッドなど。絶対感動するでしょうね!早く会いたいです。

行ってみたい海はたくさんありますが、海外はまだ実感がわかないのであまり考えていません。良いらしいですけどね、パラオとか。とりあえずは1月に石垣島へ行く予定なので、それを楽しみにしています。

――楽しみは尽きませんね。ところで、メカアザラシさんはビギナーダイバー向けのブログを書かれていますよね。

セルフダイビングをしようと考え出した頃に、セルフダイビングや地上でも何か気づいたことを記録できたらなと思って、せっかくだからみんなにも見てもらおうと思ってブログを始めたんです。

ツアーだとダイビングショップさんやガイドさんがすべて決めてくれるので、個人的には「ついて行くだけ」になりがちで、自分で新しい発見や試せることが少ないなと。

たとえば、水中でダイビングナイフの代用品を試した記事は我ながら気に入ってます。

もちろんセルフダイビングをしない方も多数いらっしゃるので、身近なネタも盛り込んでいこうと考えています。また、SNSなどでブログを紹介すると「俺はこれ使ってるよ!」とか「こんな方法もアリ」のように、ダイバーのみなさんが実はいろんなアイデアを持っていることもわかって楽しいです。それを試して記事にするのも良いかなと考えてます。

――個人的には、マスクの曇り止めを試した記事でクスッとなりました(笑)。では、最後に、ダイビングを始めるか迷っている人にメッセージをお願いします!

ダイビングを始めるには、海が怖かったり、金銭的に厳しかったり、住んでる場所が海から遠かったり、Cカードを取得しないといけなかったりと、いろいろ壁があって、気軽に「じゃあ、明日からダイバー!」とはいかないかもしれません。

しかし、少しでも海の中を覗いてみたいと思ったならダイビングを始めることをおすすめします。思ったよりずっと楽しく、スリリングであり、身近でもあると私は感じました。

絶対に言えることは「世界が広がる」です。これだけは間違いありません。

広い地球の広い海、一キック漕ぎ出してみてはいかがでしょうか。

――ありがとうございました!

得体の知れない存在だった海が、ダイビングとの出会いによって「宝探しの地図」のようにワクワクするものに変わる、それを実感できるインタビューでした。セルフダイビングでゆったりダイビング、がんばってください!