ダイバーの正体に迫る本企画、記念すべき10人目はakkyさん。何を隠そう、私にダイビングの世界を教えてくれたのが彼女!今回、改めてダイビングライフについてインタビューさせてもらいました。よろしくお願いします♡

akkyさんプロフィール

現在ダイビング歴8年のAOWダイバー(PADI)。経験本数は200本超。大阪在住のデザイナー。世界一周バックパッカー経験あり。水中写真はInstagramにて公開中!DIVER誌2018年10月号でも紹介されています。

旅の途中で始めたダイビング。はじめは「ついでに」だった。

伊豆大島のサンゴ
伊豆大島のサンゴ(2018)

――まずは、ダイビングを始めたきっかけについて教えてください。

メキシコでバックパッカーしていた時に、同じ宿に泊まっていた人がダイビングのCカード(ライセンス)講習中で。

もともと海には全く興味がないというか、水泳も得意じゃないし身近に感じていなかったんやけど、その人が「旅行好きだしせっかくだから取ることにした」と軽いノリでやっているのを見て、「あ、そんな感じでいいんや~。だったらやってみよっかな」と思って私も取ることにしました。

その時に滞在していたのがカリブ海側のコスメル。現地ダイビングサービスにひとりだけ日本人インストラクターがいたので、その人を紹介してもらって、マンツーマンでのんびり取得しました。カリブ海側は透明度が高くて30~40m。今考えるととても恵まれた環境で、講習とその後のファンダイビングでサメやウミガメを見たりして。

――でも、ダイビング始めたばかりの頃はそこまでハマらなかったんですよね。

そうそう。メキシコでは、その後セノーテも行ったし、太平洋側のラパスにも行って、アシカやジンベエザメを見たり、もちろん感激したんだけど、その頃は海より旅で。陸の旅を楽しんで、ついでに海も楽しめたらいいかなって思ってました。

ダイビングって器材やら何やら重たそうなイメージがあったから、バックパッカーとして敬遠してしまっていたんだよね。ただ、ペーパードライバーならぬペーパーダイバーは嫌だったから、半年に1度は潜るようにしていました。

魚群とワイドが好きだと気づいて、ダイビングにハマりだす。

セブのアジ魚群
セブのアジ魚群(2017)

――ではここで、akkyさんのダイビング遍歴を時系列でまとめてみましょう!

2010年、メキシコでOW取得。その後は半年に1回のペース。
2012年、プーケット。レックダイビング(沈船ダイビング)するためにAOW取得。
2013年、小笠原でドルフィンスイム。オーストラリア・グレートバリアリーフ。
2014年、八重山諸島でマンタ。シミラン諸島ダイビングクルーズ。水中カメラ(TG-3)を初めて購入。
2015年、ウェットスーツやダイブコンピューターを購入。須江、串本、バリ島。
2016年、福井のダンゴウオ、鹿児島のアオリイカ、須江のブルーウォーター。メキシコでセノーテ、アシカ、ギンガメトルネード、シャチ、ジンベイザメ。とうとう超ワイドフィッシュアイレンズとカメラを購入。
2017年、マダガスカルでクジラ、カメ。セブの魚群。
2018年、八重山諸島でマンタ。伊豆大島。離島めぐり。

――こう見てみると、写真映えしそうな海ばかりですね。

「せっかく潜るなら透明度高いキレイな海で潜りたい!」という気持ちは強かったかな。

――こんなにすごい海ばかり行ってるのに、ダイビングが「ついで」でしかなかったとは!いつぐらいからハマり始めたんですか?

(当時のブログや写真を見返しながら)2014年前後…ダイビングを始めて4年経ったくらいから、「旅先は海のあるところがいいな」と思い始めたかな。自分はどうやら魚群が好きみたいだと気づき始めて、水中写真への熱意が高まってきて。

シミラン諸島のダイブクルーズに行こうと思った時は「あれ、私、海めっちゃ好きやん」って自覚した(笑)。

――ダイブクルーズなんて、ダイビング好きじゃないと行かないですもんね(笑)。

うん(笑)。4日間船で寝泊まりして、朝から晩まで1日最大4~5本潜って。船はシミラン諸島周辺の海を移動していて、潜る時間になると「Dive time! Dive time!」って起こされる。とにかく合宿のように潜りまくる感じやからね。

ナイトダイビングもドリフトダイビングも、豪雨の中のダイビングもそこで初めて経験したなぁ。

シミラン諸島の魚群
シミラン諸島の魚群(2014)
シミラン諸島のダイブクルーズ
シミラン諸島にて豪雨の中のダイビング(2014)

――ダイブクルーズって、英語対応のところと日本語対応のところがありますが、akkyさんが行ったのは?

英語対応の方。でもゲストには日本人もいるから、わからないことは聞いたりもできました。

――その後くらいから、周囲の人にダイビングを勧めだしたんですよね。

そうそう。Facebookとかに写真アップしたら少し反響があったから、「だったら行ってみる?」と誘い始めたんです。

――私も、ダイビングCカード取得合宿に混ぜてもらって。印象的だったのは、その頃のakkyさんは「身軽に旅したい!器材もでかいカメラも買わない!」って言ってて。

そうそう。

――でも、その時のダイビングサービスのオーナーさんがマクロ用のカメラ貸してくれて、光の当て方で魚やサンゴの発色がきれいになるのを教わった時に、akkyさんの目が本気モードに変わっていったのを傍で見てました(笑)。

オーナーさんが、乗せるのが上手だった(笑)。でも実は、自分で買うならワイドだなって思ってた(笑)。

――(笑)

その後、2016年の須江で出会ったクジラ写真家の方と、その年に行ったメキシコで再会した時に水中写真を見せてもらったんやけど、やっぱり、私が撮った写真と全然違っていて。「好きな水中世界をこんな風に撮れたら最高だな」と思いました。ただ、やっぱり機材を見せてもらうと…。デカ!って(笑)。やってみたい気持ちと、荷物が重くなる、の葛藤は相当あった。

でも、その時ちょうど彼女が古いカメラを手放そうとしていて、定価から考えたら格安だったのもあり、結局水中写真という沼に…。レンズは迷ったけど、まずは超ワイドのフィッシュアイに振り切りました。

水中写真を撮るのは、ダイビングだけをするのとはまた違う魅力があるというか。自分が好きな魚群や景観の広がりをうまく撮れたら、よしっ!てなる。すごく難しいけど楽しくて、やっぱり始めてよかったなって思ってる!

akkyさんの愛機
akkyさんの愛機

――「旅は身軽に」がポリシーだったのが、ガラッと変わりましたね。

そうやねん。今はカメラが重くて重くて…。だから、国内だったら送れる器材は現地に送ってしまって、帰りも家に送るようにしています。マダガスカルに行った時は、最初にダイビングして、そのあとは帰国までゲストハウスで預かってもらったりしました。

マダガスカルで会ったカメ
マダガスカルで会ったカメ(2017)

――さすが、旅慣れてる!

それから、カメラが重くなったらエアの消費も早くなっちゃって。時々はカメラを持たずに手ぶらで潜るようにしてます。せっかく水中世界にいるのにファインダーしか覗いていないのはもったいない!

――あと、akkyさんのダイビングといえばログブックとtabinomado!

ログブックはイラスト描いてるやつね。あれは、小笠原で出会ったダイバーさんがログブックにイラスト描いてるのを見て、これならログ付けも楽しそうだなと思って。

それまではログつけてなかったんだけど、そこから真面目にログをつけ始めました。だからダイブ本数がちょっと曖昧です(笑)。ログブック自体も職を活かして自分でデザインしてます。

tabinomadoは旅冊子。陸上でも写真が好きだから、海外に長期滞在した時の旅行記を冊子にまとめています。

ログブックと旅冊子「tabinomado」
ログブックと旅冊子「tabinomado」

世界一周バックパッカーだからこそ言える、八重山諸島は最高!

――あちこち行っている中で、印象的だったのは?

メキシコと八重山諸島かな!

まず、メキシコはカボ・プルモのギンガメトルネードがすごかった!トルネードの下に入ったら、影になって真っ暗になるほど。魚群好きとしてはたまらないですね。ラパスのアシカダイビングも、アシカがめっちゃかわいくて楽しかったです。

カボプルモのギンガメトルネード
メキシコ、カボ・プルモのギンガメトルネード(2016)

でも一番はセノーテ!OWを取った時にも行ったけど、2回目はいろいろ調べて「エル・ピット」と「タージマ・ハ」というセノーテで潜って、めっちゃきれいでした。

セノーテ・エル・ピット
セノーテ エル・ピット
セノーテ・タージマ・ハ
セノーテ タージマ・ハ(2016)

――メキシコはカリブ海、太平洋、セノーテと全然違う表情、見どころがあっていいですね。

そうそう。透明度のカリブ海、ワイルドな太平洋、神秘的なセノーテ。旅行するにも町並みがカラフルでかわいいし、食べ物はおいしいし。この時は2ヶ月ほど滞在してしまいました。

――八重山諸島はどこへ?

マンタが見たい!と思って石垣島に飛んで、そこを起点に島巡りをしました。良かったのは西表島、波照間島。

西表島は、これ日本!?え!?って思うようなサンゴが感動モノです。サンゴってよく「お花畑」って形容されるけど、ホントにお花畑!って思ったのは西表が一番かも。色とりどりで、ものすごくキレイ。それが一部とかじゃなくて見渡す限りある。実はマンタもいるし、外洋にはワイルドなポイントもあって、幅広いな~と思います。

西表島のサンゴ
西表島のサンゴ(2018)

日本最南端の波照間は、「ハテルマブルー」と言われる抜群の透明度。しかも、晴れた日に潜れてラッキーでした。真っ白な砂地に自分の影が映っていて、そこで200本の記念ダイブもできて最高だった!

ハテルマブルー
ハテルマブルー(2018)

石垣島まではLCCで行って、そこを拠点にアイランドトリップできる手軽さもいいね。国内だから器材を送れば身軽だし。西表島はシーズンを外して4月、6月に行ったのも良かったかな。ゲストが少ないとのんびりできるし、「今日までの予定だったけど、明日もダイビングしたいな」と思ったら翌日予約できるし。ハイシーズンだと、人気のショップは「もういっぱいなんです」って断られちゃうから。

――今まではakkyさんは海外のイメージだったけど、今年はずっと国内で離島巡りしていたイメージでした。

うん。世界中あちこち行ってみたからこそ自信を持って言えることだけど、沖縄ポテンシャル高い。

透明度も高い。大物もいる。魚群もいる。便利。手軽。ダイビングはもちろん、シュノーケリングだけでも楽しめるところはいっぱいある。かなりおすすめです。

海とともに生きる方法を模索中!理想は半移住生活

御蔵島のドルフィンスイム
御蔵島のドルフィンスイム(2018)

――今後やってみたいこと、行ってみたいところなどはありますか?

次は宮古島に行ってみたいなと思ってます。でも、八重山諸島はまだまだ行くと思う。ダイビングもそうだし、早朝SUPも気になってて、シュノーケリングツアーも良さそうなの見つけたからチャレンジしたいかな。

幸い、仕事が旅先でもできるので、今でも持って行ってるんだけど、それなら旅でもなくいっそのこと半分移住したい。仕事したり生活しながら、時間が空いたらフィンとマスク持って泳ぎに行くの。最高じゃない?(笑)友達が遊びにこれるようにもしたいな~!

――楽しそう!絶対に遊びに行きます。月単位で入り浸りたい(笑)。では、最後にダイビングを始めるか迷っている人にメッセージをどうぞ!

ダイビングを始めるまで、「海」っていうのは「水平線」のことでした。空があって、海があって、その2層。

「水平線」の下に、こんなにいろんな生き物がいて、色とりどりで、季節や環境によっても姿を変える「世界」があるということを、もちろん知識としては知っていたけれど、「実感」するのはやっぱり全然違っていて。

それから、その世界のことをもっと知りたくなって、お魚の名前や生態を覚えたり、素潜りもしたくて泳ぎ方を研究したり、水中写真にはまってみたり、とさらに広がって行って。海との付き合い方は、海と一緒で、本当にキリがない。でもどれも、いつかのあの日に「水平線の下の世界」を覗いてみたから始まったこと。

文字通り世界が広がったな~と思います。ジョイン~!

――ありがとうございました!

akkyさんのダイビング話をここまでガッツリ伺ったのは今回が初めて!彼女を通して見る世界はいつでも驚きと感動に満ちていて、つい、追いかけてみたくなってしまいます。また早く一緒に潜りたいなぁ♡